投稿者:山本

―40億の借金をもつ家業を立て直し再びITの世界へ【FAAVO byCAMPFIRE 大阪代表・ 川辺友之氏(前編)】

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クラウドファンディングサイト 「FAAVO byCAMPFIRE 大阪」代表

 株式会社パーシヴァル 代表取締役CEO   川辺 友之(かわべ・ともゆき)社長

 

「クラウドファンディング」という言葉を知っていますか?

 

最近では、芸能人が「クラウドファンディング」を使ってお金を集めたことが話題になっています。

 

しかし、まだまだ「クラウドファンディング」についてよく分からないという方が多いかと思います。そこで、今回は、地域に関するプロジェクトに特化したクラウドファンディングサービスを行っている「FAAVO(ファーボ)」の運営をされている川辺友之社長に、お話を伺いました!

 

実は、川辺社長は40億の借金をもつ家業を立て直したことで有名な方です。

そんな川辺社長はどのような人生を歩まれてきたのか?インタビュー前半では、川辺社長の半生や、

クラウドファンディングの基本的な仕組みなどを中心に教えていただきました!

 

「今しか親孝行できないぞ」40億の借金をもつ家業を継ぐ決意

 

川辺社長は、FAAVO大阪を運営されていますが、同時に株式会社NFLの代表として、紳士服を販売する会社を経営されています。

元々の家業を継いで、3代目としてスタートされたとお聞きしました。

 

 

―大学を出られて、東京で就職されたとお聞きしましたが、どのようなことをされていたのでしょうか?

 

大学を出て、自分で起業する前に、サラリーマンを経験しておくべきだと考えまして、スーパーの「daiei(ダイエー)」に就職しました。

また、daieiで働きながら副業として、アンケート調査代行会社を立ち上げました。企業からのアンケート調査を代行して行う会社ですね。

 

 

―その当時に、インターネットを利用したサービスというのは最先端ですよね。

 

そうですね。あの時代では珍しかったかもしれません。

当時、既にインターネットを利用して2000人ほどのメルマガの読者を自社で管理していました。フリーでメールマガジンを作成できる「まぐまぐ」というサイトを、いち早く利用しはじめて、メルマガ読者をコツコツと増やしていきました。

 

 

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―では、東京で活躍されていた川辺社長が、やっぱり大阪に戻って家業を継ごうと思ったのはなぜでしょうか?

 

きっかけは、兄から「今しか親孝行できないぞ」と言われたことです。

この殺し文句が効きました(笑)というのも、元々は家業を継ぐ気なんて全くなかったんですよ。

小さいころから、家業は長男の兄が継ぐものだと思ってましたし、実際に先に兄が継ぎましたしね。

だから、自分は東京に出て、ベンチャー企業を立ち上げて、1からスタートしたんです。

そもそも私は“0から何かを始める”というのが好きなんです。“途中で受け継ぐ”というのは自分には合わないと思っていました。

でも、1998年のある日、兄から「家業が大変だ」という連絡があったんです。そこで、この殺し文句です。でも、その言葉にグサッときたんですよね。そして、「家業を継ぐ」決意をしたのが21年前です。

 

 

家業を継がれて、大変だったことや、逆にやりがいを感じたことを教えてください。

 

はじめは、会社の経理からスタートしました。

そこで借金の多さを知ってびっくりしたんですけど、40億円の借金があったんです(笑)。

そこから、父親に付いて銀行交渉をしたりして様々なことが学べました。

振り返ってみると、「中小企業の経営を身近で見れた」というのは、良い経験だったと思いますね。

当時は大変でしたけど、今に活きていると思います。

 

 

―販売方法を変えたことが会社を立て直す転機であったと聞きました。どのように販売方法を変えられたのでしょうか?

 

そもそも、当時はそれしかなかったんです。

何とかやっていくには販売方法を変えるしかなかった、というのが正直なところです。

今まで、「卸売り」をやっていたんですけど、「製造・小売り」に販売方法を変えました。「高くても買ってもらえる商品をつくる」というほうに舵を切ったんです。売り先をエンドユーザー(商品の購入者)に代えて、卸売りを徐々に減らしていきました。現在では顧客の約90%が「製造・小売り」になってきています。

 

 

―そうして販売方法を変えたことで、うまくいった要因を教えてください。

 

(それほど)うまくいってないんですけどね(笑)。まぁ背水の陣ですから。

実際に、売り上げは65億から3億になりました。1/20ですよね。それに伴い、従業員が20人ほどになって…。いわゆるリストラは沢山しましたね。でもその結果、“利益”は増えた。組織構造を変えたことで、なんとかできたんですよ。

 

 

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「SNSの使い方」を学びながら家業を救い、再びITの世界へ

 

 

―川辺さんが「FAAVO大阪」の運営を始めるに至った経緯を教えてください。

 

家業を継いで経理をやっているときに、父親に「勉強しろ」とよくいわれていました。だから勉強会やセミナーに参加する機会が多かったんです。

大阪市がやっている「大阪産業創造館」というのがあるんですけど、そこで定期的に開催される、中小企業の経営者が集まるような勉強会に2007年くらいから通い始めたんです。そこで出会った仲間とのつながりもあって、続けてきた勉強が事業になっていきました。それが「FAAVO大阪」です。

その当時の我々のコンセプトが「インターネットを使って売り上げをとろう」です。

ネット通販をはじめ、LIME、Facebook、Twitter、近年ではInstagramなどのSNSがあります。そういったSNSの使い方の勉強を仲間とコツコツしていました。

 

 

―当時の川辺社長が「SNSの使い方」に目をつけられたのはなぜでしょうか?

 

家業の経理をしていく中で、自分自身が大切だと感じたのは、

「いかに広告費をおさえて効率的に顧客を集めるか」ということです。小さい会社というのは宣伝をしないと知ってもらえないんですよ。

当時は、まだまだインターネットでの広告は主流ではなかったんです。ほとんどが雑誌ですね。当時のファッション雑誌のメンズノンノ、メンズEXとか…。

あれに広告を載せるのにいくらかかると思いますか?60万ですよ(笑)。60万で実際に顧客になる方は3人程度。大手じゃない中小企業にはなかなか厳しいですよ。

そこからインターネットでの広告に力を入れたりして試行錯誤を繰り返しました。

そして勉強していく中で最終的に目をつけたのが「SNSの使い方」です。どうすればファンをつくれるか、どうすればGoogle検索に引っかかるか、TwitterやFacebookを使ってどう集客するか、そこの勉強が大事なんですよ。

結果的に、弊社は今、広告費0円です。そうして「SNSの使い方」を仲間と共に勉強する中でみつけたのが「クラウドファンディング」なんです。

 

 

―ということは、川辺社長は「FAAVO大阪」の運営を機に副業時代のITの世界に戻ってこられたということですね!

 

そうですね。家業は「兄を助けるため・家族を守るため」に継いだんです。

でも、私はもともとITの世界の人間なので(笑)。

家業の方を落ち着かせて、区切りがついたと感じたので「株式会社パーシヴァル」を立ち上げました。クラウドファンディング運営とIT・SNS活用・分析診断コンサルなどをする会社です。

家業の経営の中で学んだことを生かしながら、新たにIT業界での成功を目指して、現在に至ります。20年かかりましたけどね(笑)

 

 

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クラウドファンディングは“ストーリー”を買う、「こと売り」

 

クラウドファンディングは最近では一般的になりつつありますが、まだまだクラウドファンディングについて詳しくは知らないという方も多いと思います。

 

そのような方のためにクラウドファンディングの仕組みを教えてください。

 

クラウドファンディングには、大きく分けて「金融型」と「購入型」があります。

「金融型」の方は、お金を投資してもらって、そのリターンとしてお金を返すというものです。これには金融2種の免許がないと、運営会社として出来ないんです。それに対して「購入型」は免許がなくても出来るものです。「購入型」=「ショッピング型」です。簡単にいうとネット通販なんですよ。「FAAVO大阪」はこちらの「購入型」です。

「購入型」は“困った人を助けるためのクラウドファンディング”とよく言われています。

被災者などが立ち上げるプロジェクトなどはコレですね。

 

最近「FAAVO大阪」で上がったプロジェクトなら、富田林市のナス農家があります。台風21号でビニールハウスが倒壊して、ナスが全部死んじゃって。ビニールハウスを作り直すのには4000万円もかかるらしいんです。そこで、クラウドファンディングで助けを求めて、プロジェクトを立ち上げたんですよ。

 

 

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そして、プロジェクト支援者を募るんです。

3000円支援してくれた人にはお礼のメールを送りますよ、5000円支援してくれた人には茄子10本送りますよ、という様に、その支援額によって「お返し品」が決まっているんです。

 

 

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でも、ほとんどはその金額に見合った値段のものではありません。ほぼ寄附ですよね。目標金額の800万円には届きませんでしたが、このプロジェクトには100万円くらい集まったんです!このようなクラウドファンディングが「購入型」です。

 

―100万円ものお金が集まったのはスゴイですね…!しかし、どうして金額以上の「お返し品」がもらえるわけではないにも関わらず、支援者が多いのでしょうか?

 

「購入型」のクラウドファンディングは“値段”じゃないんですよ。

ネット通販と違って、価格競争に絶対ならないんです。

クラウドファンディングには、1つ1つのプロジェクトにストーリーがあるんです。支援者にはその物語を買ってもらう。「もの売り」じゃなくて「こと売り」なんですよね。まず、自分を売るんです。自分はこういう人間で、こういうことを今までやってきて、今後こういうことをしたい!という自分自身を売る。支援者はそれに対して、“頑張っているその人自身”を支援するんです。

投資だったら、返ってくるのは「お金」かもしれないですが、クラウドファンディングでは返ってくるのは「もの」「サービス」「名誉」「権利」「社会貢献」…そういうものなんですよね。そうやってお金を集めていくのがクラウドファンディングなんです。

 

 

「お金」じゃなく「経験」クラウドファンディングの魅力

 

―Twitterやインスタグラムの流行から、最近の若者は「承認欲求が高い」といわれます。お返し品がお金じゃない「何か」というのは今の時代にとてもマッチしているのかもしれませんね。

 

そうですね。私はクラウドファンディングを5年以上やってきたんですけど、その中で一番得たものは「人との繋がり」なんですよ。お金じゃなくて、「人との繋がり」が財産なんです。

私もこの5年で、たくさんの人と繋がりました。そして、クラウドファンディングをやっているとイイ人が集まるんですよ。「何かをしてあげたい!」「社会貢献したい!」そういった熱い人が集まってくる。そんな熱い人同士の繋がりがいいですよね。

 

 

―そんなクラウドファンディングには私たちでも参加できるのでしょうか?

 

もちろん!クラウドファンディングには、どなたでも参加できますよ。

支援する方での参加、プロジェクトを立ち上げる方での参加、運営者としての参加、3つあります。

そして今「FAAVO大阪」では,アンバサダー制度を設けています。「自分自身はプロジェクトを立ち上げないけど、友人やクライアントがクラウドファンディングする」という人に、アンバサダーになってもらっているんです。

アンバサダーには、プロジェクトを立ち上げたい方を「FAAVO大阪」に紹介してもらって、成功報酬を2%、3%ほどキャッシュバックしています。だから、本当はチャレンジャーも、アンバサダーになってからプロジェクトを立ち上げるとお得なんですよ(笑)

 

私は「FAAVO大阪」の運営をしているので、手数料の内の一部をどう使うかというのは任されています。クラウドファンディングを広めていくために、どんどんアンバサダーに渡していきたいですね。クラウドファンディングへの参加には、こんな方法もあるんです。

 

 

―「人との繋がり」も含め、クラウドファンディングには他の投資にはない魅力がたくさんあると思います。川辺社長が考えられるクラウドファンディングの1番の魅力は何ですか?

 

クラウドファンディングは若いうちに絶対やっておくべきです!“2~3ヵ月事業をやる”ようなものなので、若い人ほど経験するべきなんです。テストマーケティングのようなところがあって、自分が起こした行動によって、なにがどうなったかの結果がすぐに見えるんです。こんなイイ経験、私が若い時にはできなかったです(笑)。

クラウドファンディングには「行動力」「計画性」「決断力」が必要です。だからこそ、力が身に付きます。そうして、実際にやっていくと「仲間の大切さ」が分かるんです。

事業というのは絶対に1人では出来ませんから。そして、頑張って成功させたら「達成感」が得られるんです。つまり、“見える化”しているんですね。

「FAAVO大阪」では、チャレンジャーに対してブラッシュアップ会を週に1回開いています。ブラッシュアップ会では、チャレンジャーがプロジェクトのプレゼンをして、運営者がそれに対してアドバイスをします。そうして作り上げていく。ホントはこういうことを学校で教えるべきですよ!(笑)自分が思っていることを相手にどう伝えるか、そこから学べるんです。こういう経験ができることがクラウドファンディングの1番の魅力ですよね。「お金」じゃなく、「経験」なんですよ。

 

 

―「人との繋がり」と「経験」がクラウドファンディングの魅力。ITの世界におられる川辺社長がおっしゃると深みがありますね…!

 

インタビュー後半では、実際に「FAAVO大阪」で行われたプロジェクトや、川辺社長には若い経営者や起業家がどのように見えているのか?などの質問にお答えいただきました!ここでしか聞けない川辺社長の本音が聞けるかも…?ご期待ください!

 

【後編】に続く…

 

 

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山本

総務部株式会社さくらインベスト
日々様々な新しいことに挑戦させていただき、勉強の毎日です。まだまだ未熟者ですが、読んでくださる方々に「為になった」と思っていただけるようなブログ執筆を心がけ、自身も成長して参ります。

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